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資金調達シリーズCを終えて。hacomonoが描く「ウェルネス産業」を舞台としたビジネスの未来

2023年4月、株式会社hacomonoはシリーズCラウンドで総額38.5億円の資金調達を実施しました。「ウェルネス産業を、新次元へ。」をミッションに掲げ、テクノロジーの力で日本の健康課題解決に貢献する事業に取り組んでいます。


そこで今回立ち上げたのが、資金調達の目的や今後の展望を語る全3回のシリーズ企画「hacomonoの未来」です。自社発信だからこそ伝えられる本音のメッセージをお届けすることが目的です。

第1回に登場するのは、ビジネスを牽引する立場にあるCOO 平田、社長室 南雲、PMM 古木の3名です。事業戦略の全体像から具体的にチャレンジする新領域の内容まで、ウェルネステック・カンパニーを目指すhacomonoのこれからを語ってもらいました。

hacomonoの未来像とこれまでの進捗

平田 英己(ひらた ひでき)  取締役COO
株式会社ローランド・ベルガーにて、消費財を中心に戦略策定・企業再生などのプロジェクトに従事。その後、楽天グループ株式会社の執行役員として国内のエンターテインメント系ECを担当。2022年4月にCOOとして、hacomonoに参画。7月より取締役就任。

はじめに、ビジネス全体の統括を担う取締役COOの平田に、hacomonoが描くビジネスの将来像について話を聞きました。

──シリーズC調達に合わせ、プロダクトの基幹システム化やウェルネス店舗DXの拡大など、さまざまな動きが本格化しています。改めてhacomonoの事業構想について教えてください。

平田 これまでhacomonoは、会員管理システムをコアサービスとして展開してきました。今後は事業領域を拡大し、フィンテックを含むより大きな機能、お客様のビジネスを根幹から支えるシステム開発に力を入れます。併せて、これらを実現する人材採用や組織力の強化に投資する考えです。

ウェルネス産業の店舗の入会手続きや支払手続きがアナログ中心なことが多い中で、「hacomono」は業界の店舗DXを促してきました。結果、私たちは市場シェアを獲得しお客様からの信用も得られたと考えています。ただし、クリティカルな課題解決はできたものの、全てのシステムを置き換えたわけではありません。高い技術力と財務的な体力をつけた今、いよいよ次のステップに進む準備ができたと考えています。

──新たな取り組みも続々と始まっていますよね。

平田 より大きなシステムとしては、東急スポーツシステム株式会社ドルフィン株式会社でのERPシステムとしての採用が決まり、開発も進んでいます。これを足がかりに今後はプロダクトとクライアントの幅を広げる考えです。

また、地方自治体における部活動のシステムに導入されたほか、スポーツによる地方創生、地域課題を解決するまちづくりに関するお声がけも多数寄せられています。このような動きは、テクノロジーを通じてウェルネスに貢献したいと考える私たちにとって喜ばしいことであり、hacomonoのミッション・ビジョン(※)の実現が全体的に前倒しされていると感じています。

──これからのビジネス展開を、平田さんはどう考えていますか?

平田
 SaaSスタートアップの成長モデルであるT2D3でいうと、2つめのDまでは達成がほぼ見えている状態にあります。3つめのDの達成に向けても、新しいプロダクトによる事業ドメイン拡大の方向性が見えてきました。

hacomono 採用デックより

ウェルネス領域全体をマーケットと捉えると、現在hacomonoはまだ数%のシェアしかありません。これをスクールや公共領域まで展開できれば、3つめのDも達成できる計算です。そしてその先の領域として、ウェルネスとメディカルの間(整体、整骨、デイケア、介護など)にもチャンスが広がっていると考えています。

hacomonoがフィンテック領域に注力する理由


南雲 輝博(なぐも あきひろ)  VP of Strategy
株式会社電通にて広告制作業務に従事した後、株式会社ローランド・ベルガーにて戦略コンサルタントとして戦略策定などのプロジェクトに従事。その後、スマートニュース株式会社・社長室にて事業戦略やクーポン事業責任者を担当。2022年8月より株式会社hacomonoに入社し、社長室・事業戦略グループの責任者として事業開発などを行う。

続いて社長室 VP of Strategyの南雲に、hacomonoがこれから注力するフィンテック領域について話を聞きました。

──なぜ今、フィンテック領域の投資に力を入れているのでしょうか?

「hacomono」 年間キャッシュレス決済額

南雲 海外でもSaaS × フィンテックは大きな潮流で、SaaSスタートアップの成長と更なる価値提供には欠かせない取り組みです。実際に2023年1月末現在、hacomonoの年間キャッシュレス決済額は227億円と、2022年1月末の56億円と比べて爆発的に伸びています。大きな決済取扱高に関わるhacomonoがフィンテック領域へ踏み込み、お客様に多様なソリューションを提供していくことは、hacomonoの中長期的成長にとっても必要不可欠だと考えています。

hacomonoには、基本機能としてクレジットカードによるオンライン決済が搭載されています。入会から決済までをオンラインで完結できるUXが提供価値の一つでもありました。そうした中、まずは決済領域の強化を進めるということですが、どのような取り組みになるのでしょうか?

南雲 今後はオンライン・オフラインの両方をカバーするマルチペイメント・ソリューションをワンストップで提供することを目指しています。

具体的な例を挙げましょう。現在hacomonoのオンライン決済ではクレジットカードのみが決済手段として対応しています。この部分に関して、銀行口座など多様な決済手段のオンライン対応を目指しています。オフライン決済についても、キャッシュレス決済端末の提供やPOS連携機能などのソリューションを拡充する考えです。

とはいえ、決済領域は我々が取り組むフィンテック領域のごく一部です。これを皮切りに、ウェルネス業界に向けた多様なフィンテックソリューションを中長期的に展開していくつもりです。

──フィンテック領域はhacomonoのビジネスにおいてどのような役割を果たすのでしょうか。将来像を聞かせてください。

南雲 例えば、お客様の決済情報を一元化できれば、そのデータを元に与信をおこなうレンディングサービスを提供するなど、出店時の資金調達から店舗経営支援まで、包括的なご支援もできるかもしれません。

エンドユーザーのLTVもhacomono上で一元管理できるようになれば、様々なデータ分析も可能になるでしょう。
これまでhacomonoが推進してきたDXを経営にも取り入れることで、データドリブン経営の実現に寄与できるのではと考えています。

ビジネスの実現に欠かせない役割、PMMとは


古木 哲平(ふるき てっぺい)  PMM/PMO
2009年にヤフー株式会社に入社し、主に広告プロダクトのGo To Marketを担当する。2018年にPayPay立ち上げメンバーとしてPayPay株式会社に入社し、コンシュマー向けアプリのPdM・PMMとして従事。2022年より株式会社hacomonoの1人目PMMとしてプロダクトのGo To Marketやビジネス・プロダクト間の調整、PMO業務としてリリースフロー周りの整備を行う。

ここまで平田と南雲に、ビジネスサイドからhacomonoの将来について様々なビジョンを語ってもらいました。ここからはビジネス構想の実現に不可欠なプロダクトサイドの内容をお伝えします。話し手はPMM(Product Marketing Manager)古木です。

──PMMは日本ではまだ珍しいポジションです。前職のPayPayでもPMMとして活躍されたとのことですが、どのような役割を担う仕事なのでしょうか。

古木 PMMの定義は企業によってまちまちですが、抽象化すると「ビジネスとプロダクトの間に入って橋渡しをする役割」です。具体的な業務内容は以下のとおりです。

  1. セールスやCSに同行してお客様の課題をヒアリング →PdMに伝える

  2. プロダクトリリース前後でビジネスサイドの各部署(PR、マーケティング、サポートなど)と連携 →Go To Marketを実施する

  3. プロダクトリリース後、ビジネス〜プロダクト領域を横断 →課題発見と解決を図る

ビジネスとプロダクトの両者を中立的・横断的に見て、しっかりと噛み合うように働きかけるのがPMMの役割だと考えています。

──これからhacomonoのビジネスが大きく動くなかで、PMMはどのような働きが期待されますか。

古木 今後、フィンテック領域をはじめとする、新領域への事業展開が続々と生まれます。その都度、部署を横断する課題が頻出することを考えると、ビジネスとプロダクトの両方にまたがった「ワンチームでの解決」が求められるシーンも出てくるでしょう。そこがうまくいかなければ、「リリースしたけれど売れない」など、そもそも売れない機能を作ってしまう事態も起きかねません。PMMは調整役・潤滑油として活躍できると考えています。

転職検討者に向けて、hacomonoの面白さ

──最後に、hacomonoへ転職を検討している方に向け、メッセージをお願いします。

平田 T2D3を達成すれば、hacomonoはウェルネステック・カンパニーとして業界全体に影響力を持つ存在になっているはずです。その道は決して容易くありません。ビジネス実行力を持ちつつ、「ウェルネス業界を良くしたい」という社会的な使命に共感してくれる人とご一緒できたらと思います。

南雲 hacomonoはスタートアップでありながら、プロダクトがある程度業界に浸透しているというアドバンテージがあります。社会に与えるインパクトや責任感を感じながら働けるところは魅力的です。スタートアップらしいスピード感やチャレンジャーのマインドも持ち合わせているため、そのバランスも面白いと思います。コロナ禍を経て、社会もウェルネス産業も変革のタイミングです。その変化を一緒に推進し、楽しめる人に入社していただけると嬉しいです。

古木 hacomonoは、フィットネス業界の店舗システムに関してはある程度シェアが取れていますが、基幹システムの置き換えとなると、大きな壁が立ちはだかっています。前職のPayPayでも、QR決済領域に最後発で参入したところから、全部をひっくり返してトップシェアを取ることができました。

大きな達成感や面白さを感じながら働けましたし、その感覚は今のhacomonoにも通じるところがあると感じています。加えて、今のhacomonoは2本目の柱となる新領域の立ち上げもおこなっており、非常に挑戦しがいのあるフェーズです。チャレンジングな場所に身を置きたい人にとっては良い環境ではないでしょうか。


2023年5月19日(金)オンラインイベント実施します。ぜひこの機会にご参加ください!

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取材協力:株式会社ソレナ
撮影:塩川 雄也