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本音で語り合うhacomono座談会➖今こそ取り戻したい「スタートアップらしさ」と未来に残す組織カルチャー

2023年4月、株式会社hacomonoはシリーズCラウンドで総額約40億円の資金調達を実施しました。「ウェルネス産業を、新次元へ。」をミッションに掲げ、テクノロジーの力で日本の健康課題解決に貢献する事業に取り組んでいます。

資金調達の目的や今後の展望についてお伝えする全3回のシリーズ「hacomonoの未来」。

第3弾となる今回は、CHROの高橋とエンジニアの門田、セールスチームの乙部、溝辺の4名で対談を実施しました。テーマは「hacomono組織のこれから」。これまで現場目線ではあまり語られる機会が少なかった組織に対する「本音」を、第一線のメンバーと勇気を持って語る企画となりました。

高橋 寛行(たかはし ひろゆき)/社内ニックネーム:ひろゆき
CHRO

2005年株式会社インテリジェンス(現 パーソルキャリア株式会社)にて人材紹介に従事し、2010年より株式会社ミクシィ(現 株式会社MIXI)にて人事キャリアをスタート。2012年株式会社コロプラへ入社、採用・制度企画・労務等の人事全般を経験。2016年からは株式会社メルカリにて中途採用・新卒採用の立ち上げ、People Experience(制度企画・労務)に従事。2019年より株式会社ヤプリで人事部長を務めるなど、人事として3度のIPOを経験。2023年2月 当社にCHROとして入社。

門田 昭平(かどた しょうへい)/社内ニックネーム:もんちゃん
エンジニア
2015年10月 株式会社まちいろ(現株式会社hacomono)に入社。ECサイト、会員管理システムやモバイルアプリの受託開発などを経て、現在はhacomonoでのフロント開発を主に担当。

乙部 将士(おとべ まさし)/社内ニックネーム:おとちゃん
SMB Sales兼Sales Ops
2018年株式会社カネボウ化粧品に入社。マーケティング部門メディア企画Gにて雑誌媒体のPR担当として従事。兼務でDXプロジェクトにも参画し、広告効果の可視化や指標の統一化など推進。2021年11月株式会社ネクストビートに転職し、両面型転職エージェントセールスとして従事。2022年1月に株式会社hacomonoに入社し、SMB Salesと兼務しながらSales Opsの立ち上げを推進。

溝辺 美紀(みぞべ みき)さん/社内ニックネーム:みっきー
SMB Sales
アパレル業界、広告営業を経て2021年4月に株式会社hacomonoに入社。新領域チームとして主にインドアゴルフやサウナの店舗を担当。

まずは明るいhacomonoの組織・カルチャー良いところ

高橋 「明るい話」って、このあと絶対「暗い話」がある前提というかフラグすごい(笑)。今日は「hacomono組織の未来」というテーマで、こうして座談会を開かせてもらったわけなんだけど、こういう(外部に出る)話って往々にしてキレイな話ばかり出てくると思っていて。でも弊社だけでなく実態はそんなのばかりじゃないと思うんです。僕自身、まだ2月に入社したばかりだし会社組織のことも十分に理解ができていないですし。そして、この「シリーズC」を迎えたという比較的hacomonoに注目いただけるタイミングで、現状の組織状態の理解を深める意味でも等身大の目線で、今日はみんなと話せていけたらと思ってます。

まず最初は、この中で一番社歴が長いもんちゃん(門田)に聞いてみたいかな。これまでhacomonoの組織の変遷を見てきて、ここは変わらず素晴らしいなと思う部分と、ここは変わっちゃったなという部分、教えてもらえますか?

門田 入社してくるメンバーの人柄や性格みたいなのは変わってないですよね。それはけんさん(代表取締役の蓮田)についても同じで、飲みの場とかでも気軽に話しかけられる。ただ、体制が大きくなって、フルリモートの会社でもあるので、やや遠い存在になっちゃったなという淋しさはありますね。仕方ないとわかってはいても。

高橋 なるほどね。入社2年目のおとちゃん(乙部)とみっきー(溝辺)にも同じことを聞いてみたい。入社時から今日までで変化を感じることってありますか?

乙部 変わったところはやはりあります。組織が大きくなったことで、以前よりも身軽に動けなくなった感覚はあって。でも入社して良かったと思う部分は、変わらずにカルチャーとして残ってると思います。

一番hacomonoらしいのは、けんさんを筆頭にメンバーがミッションやビジョンを体現し続けているところです。対外的にはキレイなことを発信していても、実態としては売上至上主義のスタートアップは実はいくつもあるのでは?と思っているのですが、集まっているメンバーたちが本気で業界を変えようとコミットし続けている点は魅力だと思います。セールスとしても会社、プロダクトに自信を持って売ることができています。

溝辺 私はけんさんと初めてお話をしたとき、「この社長の下で働きたい」と思って入社したんですよね。私だけじゃなく、けんさんに惹かれて入社したメンバーは多いと思うんです。人間性に惚れて入ってきた人が多いだけあって、社内を見渡してもいい人が多いのがhacomonoの魅力だと思います。

あとフルリモートワーク環境なので、プライベートの事情などで場所に縛られずに働ける、それが当たり前化しているというのは嬉しいですね。そして、それは先に話した、けんさんを中心とした組織の求心力とカルチャーがベースにあって成り立っているんだなというのは感じます。

高橋 みっきーも(フィールド)セールスだと思うけど、普段業務という目線から感じるhacomonoの良いところってどこだと思いますか? 「組織の未来」っていうテーマに縛られなくてもいいんだけど。

溝辺 私たちの取り組む領域はバーティカルSaaSなので、その道のプロの方々との接点が多いのが私にとってはやりがいにつながっています。私の担当はゴルフ業界やサウナ業界なんですけど、現場の方とお話をしていると「自分はこう捉えていたけど、本当はそうなんだ!」という知識が日々つき、専門性が身についているなという実感が持てたりはします。

高橋 なるほど、バーティカルSaaSって狭いから、とっつきにくいイメージがあるけど僕も入社してから勉強しているので、そういう知的好奇心が満たされていくのとかいいですよね。エンジニアの目線から、もんちゃんとかはどう?

門田 今の「hacomono」というプロダクトは、新規領域への新しいプロジェクトが立ち上がったり、併行して基盤を整備するタイミングなんですよね。人手も足りなく大変ではあるんですが、エンジニアとしてこの状況やフェーズを見れる・経験するというのはとても希少でチャンスだなと思っています。エンジニアのキャリアという面でも、これも他社でも珍しくない話ではあるものの、実態としてマネジメントの方に進む人もいれば、技術面に磨きをかけてスペシャリストを目指す人という選択肢に対して柔軟に対応しているのを感じています。そういう選択肢が持てる環境というのは、挑戦する土壌や安心感としてあるなと感じています。

高橋 これ、ちょっと誘導質問みたいになっちゃうんだけど(笑)、中途で入ってきた人に話を聞くと、hacomonoはコードがキレイだっていう声をよく聞くんですよね。ここって実際そうなのかな?

門田 そこはもう、CTOのまこさん(工藤)が創業期からしっかり整えてきた部分ですね。中途入社の方の場合、このシステムがなぜ動いているのかって部分をキャッチアップするところから始める会社が多いと思うんですが、hacomonoの場合は比較的すぐにコードを見て全体像を理解できてしまう。それは本当にすごいことだと思います。

忖度なく、本音で感じる今の組織への課題感

高橋 ここまで良いところを聞けたので、ここからが本題というか(笑)。次は「本音」で今の組織のことを話していきたいですね。さきほどの「(代表のけんさん)と距離を感じるようになった」などは、確かに同じことをどこの企業も感じる瞬間があるんです。例えば僕の経験だと、最大で社員数2,000名くらいの会社に所属していたことがあるんですよね。で、その都度500人が1000人に、1000人が2000人になるタイミングとかでふとした瞬間に「あぁ、大きくなっちゃったな」と思ったりはしてきました。

ただちょっと違和感を感じているのは、hacomonoって今(2023. 4月時点)はまだ社員数も200名ぐらいですよね。このフェーズで感じているであろうその「距離感」が大きいような気がしていて……

門田 最近だとお客さまがエンタープライズ企業との契約も増えてきたこともあって、組織規模の問題ではなく、「会社としてちゃんとしなきゃ」という空気があるかもしれないですね。僕が入社した頃はもっとフラットというか、束縛もなく自由になんでもできていた時期がありますね。

高橋 もちろん、お客さまあっての会社だし、ビジネスなので信頼に足りうる会社や体制になることは大事なことだと思ってます。が、一方で世の中に新しい価値を提供しようとしているチャレンジャーでもあるので、そこの絶妙なバランスはコントロールしていきたいなと思いながら日々過ごしてたりします。(ビジネス部門の)みっきーや、おとちゃんだとどう感じているんだろう。

溝辺 入社してまだ丸2年が経った程度ですけれど、変わったなってとても感じます。セールスは1日に連続して何件も商談をすることもあります。そういう状況であっても、以前だったらスキマ時間を見つけて事務作業をパパっと済ませられたんです。でも最近はそうもいかなくなってきています。

たとえば、見積書を1つ作るのにも以前よりも多く時間がかかるようになってしまっていて……。主な理由は、セキュリティ重視のシステムであったり、ミスをしないためのダブルチェックだと思うんですけれど、堅牢性が高いこと・ミスをしないように業務を遂行すること、が重要視されそのバランスが難しいところだなと感じています。

乙部 1年前はもっとスタートアップらしさが感じられた気はしてます。まずは受注をどんどん取ってきて、そこから全員で協力してなんとか納品していくみたいな。最近はそういった攻めの姿勢が少なくなって、守りの意識が強くなったなというのは正直感じている部分ではあります。

高橋 繰り返しになっちゃうけど、そういった会社の成長とそのフェーズとともに社会的立場の変化やインフラに近づく責任は決して軽視してはいけないことだと思っています。けれど、それを組織的な観点でみた時に気になるなと思うのが「人の増え方に対して、アウトプットの量が比例しなくなってきてるのでは?」ということです。まだまだこのフェーズであれば理想としては、1人しかいなかった部署で2人目が入社したら、アウトプットは2倍とか3倍になったりする。(1年前の100人弱の状態から)100人増えたら単純計算で2倍とは言わなくてもそれに匹敵する状態は、目指したいなと思うんです。

だけど、ここまでのみんなの話を聞いたり、会社組織全体をみて感じるのは、人が増えたことによって発生する仕組みやルールが先行して増えすぎて、一時的に生産性と効率性が落ちてしまっているのではないかということです。hacomonoに集まってくる人は個々人の能力が高く自走できる人が多いはずなんですが、そのポテンシャルを塞いでしまっている何かがないか?を今一度全員で考えたい時期かな、と。

この状況に対して、けんさんともよく話すんですが、少なくとも二人の間ではとてもフラストレーションを感じていたりします。「我々は挑戦者であるスタートアップベンチャーなので、今のうちにもっと手数を打って、多くの小さい失敗を経験したい」と。この先、本当の意味で社会的インフラを担う会社になっていくと、今のレベルではない責任やそこに伴う仕組みや体制が必要になると思っています。その日がきた時には、簡単にミスや失敗はできないので、語弊があるかもしれないけど今のうちにできる失敗は組織として経験値を積んでおかないといけないのでは?と危惧してたりするんですよね。

乙部 この1年で大きく変わったことの1つが、色々な部署が一気に立ち上がって、それに伴ってミドルマネジメントの方々も増えたことですよね。以前は何か相談したいことがあれば経営陣に直接話を持っていくことが当たり前だったけど、今はできない・やってはいけないということはまったくないものの、雰囲気的に「まずはマネージャーを介して」という感じになっている。これが組織化されていくということなのかもしれないですが、もどかしさを感じたりもしますね。僕はビジネス部門・セールスとしての目線からの意見になりますが、開発部門・エンジニアのもんちゃんからはどんな感じなんでしょう?

門田 似たような部分はありますよね。まだメンバーの数も少なかった頃は、CSメンバーから改善提案が上がってきて、そのまま開発に反映させるなんてことも珍しくはなかった。でも今はそういったことは少なくなってきたかなと思います。それで、万が一バグがそれで起きて不利益を出したときの影響を重視するようになったのかなと思います。そういった組織間の連携やフラット感・スピード感を取り戻したい気持ちはあって、ぜんぜんまだできるなとも思っているので何かできることを考えたいなと思ったりもします。

高橋 そうなんですよね。人はどうしても経験の中でしか比較ができない面があると思っています。ある地点からある地点との差分を比較して「どうこう」を感じたり、考えたりする。ここ1年のhacomonoをみれば、あっという間に組織が倍以上になって「あぁ、大きくなったな」「距離ができたな」「息苦しくなったな」とか。

でもそれはどのフェーズを切り取っても感じるもので、1,000人や2,000人になった時から逆算して今をみたら、まだまだぜんぜん小さい組織でこれらのイシューはなんとでもできるものばかりなのかなと思っています。

だから、将来のためにも今のうちに、もっと手数を打って小さい失敗を積み重ねて、未来の組織への資産としてその経験値を残していかなくてはいけない。この認識をもっと多くのメンバーと共有したいっていうのが僕の今の想いですね。

今回の話の本当に大事なところ

高橋 僕が自分の理解のためにもみんなにぶっちゃけて話を聞かせてもらうなかで、中には一見ネガティブに聞こえるような話も出てきたと思うんですけど。でも、これってすごく大事なことだと。それが「愚痴や不満」で終わるのかどうかって、発信する人によりよくする意思があるかどうかだと思うんです。

経営陣がダメ、セールスがダメ、エンジニアがダメってことじゃなくて、それを我ごととして捉えて「じゃあ自分に何ができて、どうしていけばいいんだっけ?」とできるかどうか。今日、話してみんなからはそれを感じることができたし、hacomonoにはそういう想いをもった人がたくさんいるなというのが素敵で僕自身入社を決めていたりします。なので、今日みたいな場をもっと社内でも増やしていけば、必ずよい方に改善し続けて簡単にマネできない強い組織になれるんじゃないかなと思っています。

門田 エンジニアの側面から見ても、やっぱり「本音」でぶつかることの重要性は感じています。過去にお客さまからの評価が十分に得られない機能を作ってしまったことがあるんですが、その原因は納期を優先して現場の声を反映できなかったからなんですよね。エンジニアとしても作り直しということで二度手間になってしまった。本来であればもっと現場と連携しながら、本当にお客さまが求めているものが何かを、高い解像度を得る必要があって。そのために社内で忖度や遠慮することなく話せること、そのためのカルチャーや関係性をつくることが大事だと思います。

乙部 僕は現場で感じたことをスピード感を持って実現したいって思ったときは、マネージャーを通さずに直接エンジニアに話を持ってしまうこともあるんです。でも、それはそれで別に悪いことではないと思っているので続けて率先垂範しようと思っています。

溝辺 組織をもっと良くする手段として、評価制度についてもみなさんと意見を交換したいなと思っていたんです。セールスは数字が何よりの成果でもっとも大事だと思っているので、プロセスの努力を無視するつもりはないですけど、「いい成果を出せた = プロセスも良かった」と捉えることもできると思います。仮にどんなにプロセスが良かったとしても受注がなければ売上もゼロなので、周りからは「今まで何をしていたの?」と言われても仕方のない職種だと思うんです。

セールスだけではないかもしれないですが、結果にこだわって、成果を出せる人がより高く評価される仕組みを持つことが大事で、それぞれの利害関係がお客さま主体でありつつ、ちゃんと連携していくことでもカルチャーがつくられたり、変わったりするのかなと考えていたりします。

高橋 まさに、今人事評価制度もリニューアルに向けて動かしているんですが、会社が人を評価するという側面において、醸成したいカルチャーとしては、そういう風にしたいと経営陣としては思っていて話しています。
カルチャーは「自然と作られて、なんとなく出来上がっていく文化的なもの」ではないと思っています。

きちんと意思と目的をもって、その方向になるように小さな打ち手をたくさん打っていって、それを活用する人たちが徐々に体現して、それを見た次の新入社員の方々が感じとってマネることで広がって浸透していくのかなと。

一般的には社外からみた、もしくは他社と比較してもhacomonoは「いい会社・いいカルチャー」と評価していただけることが多いと感じています。が、実態はこんな感じでまだまだすぎるし、今日の3人や3人以外にも現状に満足していない人も多いと思うので、一緒にプロダクトだけではなく組織面でも圧倒的なものをつくっていけたらなと思います!

2023年5月19日(金)オンラインイベントを実施します。
ぜひこの機会にご参加ください!

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取材協力:株式会社ソレナ
撮影:塩川 雄也