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店舗の「完全無人運営化」に貢献。SaaS企業 × IoTチームの組み合わせでリアルとデジタルをつなぐ

ウェルネス業界のバーティカルSaaSとして、「hacomono」は2019年3月のサービス開始以来、3,000以上の店舗・施設に導入されています。

「hacomono team story」は、仕事内容やチーム、プロジェクトについて、社員のインタビューを通じてお伝えする企画になります。
第3回目は、IoTチームの開発責任者である岩貞に、メインプロダクト開発までの道のりや働き方について、インタビューしました。私たちが目指す、ウェルネス業界の「アフターデジタル」に向けた取り組みをお伝えします。

hacomonoはSaaS企業でありながら、ハードウェア開発もおこなえるIoTチームを有しています。

チーム発足のきっかけは、hacomonoのミッションに基づく店舗体験向上のため。ウェルネス業界ならではのペインポイントに対応し、hacomonoならではの世界感を実現するべく、自前での開発にこだわっています。メインプロダクトは24時間無人ジム「chocoZAP」の入退館システムとして導入されるなど、各方面から期待が寄せられています。

店舗体験向上のため、社内に「IoTチーム」を結成

IoT開発責任者 岩貞 智
ソフトウェアエンジニアとして、家電製品のMW開発をはじめ、iOSアプリ開発、エッジAI、エッジ向け分散クラウドPJなど幅広く従事。
2021年7月よりスタートアップ企業の株式会社hacomonoにてIoT事業の立ち上げを担当し、ウェルネス産業特化のDXを推進する。

hacomonoは「ウェルネス産業を、新次元へ。」というミッションのもと、店舗体験にこだわった様々なサービスをWebシステム上で提供しています。その中で店舗のスタッフレス化も推進しており、24時間無人店舗の実現に向けたソリューションも手掛けてきました。

従来、店舗の入退館は物理キーを手渡しする必要があったりと「完全無人化」には大きな障壁がありました。この課題を解決するため、「hacomono」ではサードパーティ製のスマートロックと連携した入退館サービスを提供してきました。

しかし、業界特有のペインポイントが多く、思うような体験の実現が難しかった背景もあります。具体的にはスマートロック用に別アプリのダウンロードが必要だったり、スタジオレッスンなどで発生する同一時間に大量の入館を捌けなかったり、といったことです。

そこで、2021年にIoT専任の開発チームを立ち上げ、店舗の入退館の体験をなめらかにするためのデバイス開発に着手しました。

同年7月には、一人目のIoTチームメンバーとして岩貞がhacomonoにジョイン。前職のSIerでソフトウェア開発エンジニアをしていた彼は、以前からジムに通ったり食事に気を遣ったりと健康意識も高く、hacomonoのミッションにも強く共感し入社を決めました。

岩貞:現在のIoTチームでは私が開発責任者で、ほかにPdM、SRE、ファームウェア、エレキ、メカ、生産管理、フィールドのエンジニアが10名揃っています。Webサービスの提供をベースとしたSaaS企業でありながらIoT、特にハードウェアチームを自前で持つ会社は非常に珍しく、我々はIoTチームだけで製品開発から製造、設置まで対応できる体制が整いつつあります。

hacomonoではフルリモート勤務を基本としており、それはIoTチームも同様です。ハードウェア開発に必要な機器も、申請すれば自宅に支給される仕組み。毎日決まった時間にコミュニケーションタイムを設けており、リモート環境でチームワークを高めるための工夫が随所に施されています。

通常はリモートですが、CEO けんさんやCTO まこさんと一緒にチームの決起会を開催
(撮影時のみマスクを外しています)

「QR入退館サービス」実現までの道のり

そんなIoTチームが手掛けたプロダクトの一つが「QR入退館サービス」です。これは「hacomono」の会員マイページ上でQRコードを表示し、出入り口に設置したQRリーダーで読み取らせることで扉を解錠できるというもの。

「QR入退館サービス」を導入すれば物理キーの受け渡しが不要になり、店舗の24時間無人化が可能になります。また冒頭で紹介したようなサードパーティ製のスマートロックを利用することなく「hacomono」上で完結し、シームレスな体験を実現できます。

「QR入退館サービス」は、RIZAP(ライザップ)が展開する24時間無人ジム「chocoZAP」の入退館システムとして全店に採用されたほか、中小規模の店舗でも導入されており、企業の規模を問わず多くの引き合いを頂戴しています。

24時間無人運営のコンビニジム「chocoZAP」にhacomonoが導入された

「QR入退館サービス」の開発は、当初岩貞が一人で担当していました。

岩貞:私は前職までソフトウェアエンジニアだったので、エレキやメカといったハードウェア部分については未経験でした。PoC(本格導入の前の実証実験)は市販品を使いつつソフトウェアを実装し、勉強しながら完成させた経緯があります。また、量産はさすがに一人ではできないので、外部のパートナー企業に協力を仰ぎました。その間にチームメンバーも徐々に増え、量産・リリースまでようやく漕ぎ着けることができたのです。

岩貞が入社してから「QR入退館サービス」のPoCを納品するまで約3ヶ月、量産品リリースまでは約1年と、スピード感を持って開発が進みました。しかしその道程は平坦ではなく、苦労やトラブルも多いものでした。

特にPoCが成功し量産に向けて動き出したものの、スケジュール感がつかめず他部署とうまく調整できなかった部分や世界的な半導体不足の影響での調達難は課題でした。結果的に量産が軌道に乗る前に納品が必要となり、手作業で作成した試作機で対応した店舗がいくつか生まれてしまいました。

試作機は量産品とは異なり、メンテナンスの際に個別対応が必要となるため、後々のコストもかさんでしまいます。ソフトウェアとハードウェアで開発にかかる時間の違いを、身をもって痛感したと岩貞は語ります。

そのような中で、SaaS企業ならではの醍醐味とも言える部分も見えてきたと言います。

岩貞:現場への理解、解像度の高さの必要性を強く感じました。社内でうまく作れたものでも、いざ現場に行って設置しようとすると、そもそも取り付けられなかったり、実は屋外なので防水加工が必要だったりということがありました。実際に現場へ出向き、「自分たちのデバイスがなぜ必要なのか」「どのように使われるのか」を理解した上で開発する必要があるんです。一つひとつの解像度を上げることでプロダクトの魅力につなげる。バーティカルSaaSならではの醍醐味だと考えています。

このような経験からIoTチームでは、新入社員のオンボーディングでは施工現場を見学する機会を設けるようになりました。現場に足を運び実物を見て触ることで、ペインポイントやデバイスのメリットをチーム全体で実感し、共有できるからです。

オンボーディングでの施工見学の様子


アフターデジタルを見据えた「IoTチーム」の存在意義

IoTチームの仕事中の様子。

これまでhacomonoはソフトウェア領域で事業を展開してきました。そこにハードウェアのIoTチームが加わり、お客様への新たな価値提案ができるようになったのです。

現在では、Webをベースとしたサービスのみならず、物理的な機器との連携や、実店舗にあるハードウェアを通じた新しいサービス体験の提供が可能となっています。

岩貞:hacomonoは「アフターデジタルを牽引するウェルネステック・カンパニーへ。」というビジョンを掲げています。リアルとデジタル、オフラインとオンラインをシームレスにつなぐIoTチームは、ビジョンの実現のためには必要不可欠な存在。今後は一層、アフターデジタルをウェルネス業界で牽引できるプロダクトは何か? ということにこだわり、実際に作り出すことがIoTチームのミッションになるでしょう。

現在、IoTチームでは「QR入退館サービス」以外にも様々なデバイスの開発に取り組んでいます。株式会社ドクターズ・マンが開発する認証機との連携事例など、ハードウェアとの連携ニーズは数多く存在し、現在もマーケティング、セールスチームなどからの要望で多くのプロジェクトが進行しています。

ハードウェア連携のニーズは至るところにあります。すべてを同時に進行することはまだ難しいため、優先順位をつけて重要度の高いテーマから順に取り組んでいます。

今後IoTチームが力を入れて取り組むのは、QR入退館のさらなる安定的な供給とグロースに向けた機能拡充と、施設内の有料オプション(水素水やプロテインサーバーなど)のIoT化です。個別の利用者タグが不要となり体験向上につながるのみならず、利用者動向などの顧客情報も取得できるため、データ活用も進むことでしょう。

現在は細かな部分のブラッシュアップのほか、高い品質を追求しながら、より開発に集中できるような厚みのある組織づくりを進めています。

岩貞:我々IoTチームは、ウェルネス業界に特化しマルチプロダクトを少量生産していく組織です。マルチプロジェクトに対応できる人、実世界にデバイスを投入していくのが好きな人にとっては、とても面白くやりがいのある仕事ができるはずです。

今は「IoTチーム」という名前ですが、ゆくゆくはもっと大きい事業組織、例えば「IoTカンパニー」になっていければ、よりスケールも大きい挑戦ができて面白いだろうなと思います。hacomonoは世界感やブランド価値を大切にする会社です。これからはデザイン面も含め、自前のIoT組織という強みを生かして、さらにhacomonoらしいプロダクトを作っていきたいです。


取材協力:株式会社ソレナ


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また今回紹介したIoTチームでは一緒に働く、新しい仲間を募集しています。少しでも興味を持って頂けた方は下記よりエントリーいただけると嬉しいです。

https://open.talentio.com/r/1/c/hacomono/homes/4140?job_titles=9125