日本のフィットネス参加率を上げる「PROJECT 3%→10%」━業界を巻き込み、既成概念の外側へ
hacomonoは2022年5月、日本のフィットネス参加率を3%から10%に引き上げる取り組み「PROJECT 3%→10%」を発足させました。
私たちはウェルネス領域の店舗に対して、会員管理・予約・決済・POSシステムを開発・販売するスタートアップです。志は大きく、目指すはフィットネス産業のインフラとなり、ウェルネス産業を新次元へ導くこと。
ミッション実現の第一歩として、今回のプロジェクトは非常に大きな役割を果たしました。
hacomono note編集部では、プロジェクトを支えた裏側のストーリーと実際の様子を聞くため、マーケティング担当・工藤佳奈江と、広報PR担当・友行仁美の二人に集まってもらいました。対談形式で内容をお届けします。
環境が変化する今こそ、社会を変える機会に
友行 今日は対談ということで、まずは「PROJECT 3%→10%」が始まった背景から話していきましょうか。私は今年(2022年)の5月に入社していて、ちょうどその頃にこの企画も立ち上がったんですよね。
工藤 そうです。正確には7月27~29日に東京ビッグサイトで開催される「SPORTEC 2022」への出展と、同期間中にりんかい線・国際展示場駅で公開する交通広告、そして「hacomono Conference」という大きなイベントの開催も予定されていました。しかし、それらは「点」の取り組みだったため「線」で結ぶ必要があるねという会話がありました。
友行 そこで「日本のフィットネス参加率を3%から10%に引き上げる」というコンセプトが生まれ、プロジェクト化された流れでしたね。この部分だけを切り取ると思いつきのアイデアに映るかもしれませんが、実際は私が入社する以前から、hacomonoは社会課題解決型の企業として近しい活動を続けていましたよね。
工藤 サステナビリティビジョンをnoteで公開した際にお伝えした通り、hacomonoは創業当時から社会課題と向き合ってきた会社です。そのため、フィットネス参加率が3%という数字には大きな課題感を持ち続けてきました。高齢化が進む日本では、健康寿命を伸ばすための手段として運動習慣を取り入れることが不可欠だと考えていたからです。
加えてコロナ禍では、リモートワークの常態化など日常的な活動レベルが下がり社会問題になっていました。目の前の健康ですら脅かされている状態に、hacomonoが今できることは何か。大変な時期だからこそ、社会に働きかけられることがあるのではないか?
そう考えた結果が「PROJECT 3%→10%」だったわけです。
4つの工程から成る「PROJECT 3%→10%」
友行 ここからは具体的に、プロジェクト内容を振り返りたいと思います。まずは社内のフィットネス業界出身者たちが集まり、ワークショップ「from hacomono」を7月に実施しました。その次に、同じく同業界の有識者とともに議論をする「SUMMIT〜わたしたちにできること〜」を同月に開催したんです。
SUMMITの参加者からは「ライバル企業同士が一堂に会する日が来るなんて」と驚かれたのを覚えています。
工藤 この業界ではトップ同士で議論する機会はそう多くありません。今回の企画は業界に詳しい人からすると、非常に大きなインパクトがあったかと思います。
実際にSUMMITを終えたあとの成果として、総合ジムにパーソナルジムが協業する事例が生まれました。一緒に手を組みプレスリリースを発表するなんて、これまででは考えられなかったことです。「フィットネス業界を変えていこう!」というムードが誕生したことに、私も嬉しくなりました。
友行 当日の様子を補足すると、総合フィットネスクラブ、パーソナルトレーニングジム、24時間型ジム、そのほかのフィットネスに携わる計18名の有識者が集まったんですよね。6名ずつ3グループに分かれ、フィットネス参加率を3%から10%にするために「わたしができること」「フィットネス業界がやるべきこと・変えていくこと」を話し合った。
工藤 そうです。ただし議論された内容はここではオープンにせず、同じく7月に東京ビッグサイトで開催された「SPORTEC 2022」内で発表しました。hacomonoブース内特設会場でトークショーを催し、SUMMITで決めた内容を会場の皆さんにお伝えしたんです。ここで初めて「PROJECT 3%→10%」のコンセプトが世の中に広く共有されました。
友行 日本のフィットネス参加率が3%という事実は、業界では当たり前でも一般的には認知されていません。業界紙とはべつの記者さんからは「初めて知った」という声もあり、PRの私としては手応えを感じる瞬間もありました。
「SPORTEC 2022」へ出展した際、国際展示場駅内に交通広告も出しているんですよね。当社のロゴマークは広告の右下に小さく印刷されている程度。自社の宣伝よりも、社会的なメッセージを軸として打ち出しました。
その甲斐あってか、広告を見た業界関係者の方からは「よくやってくれた」との声をいただきました。誰かがやらなくてはいけない。だけど誰も動けずにいた。そんな状況を打破してくれたことが嬉しかったと、その方は話してくれました。
業界が手を取り合い、モメンタムの向上へ
友行 東京ビッグサイトでの「SPORTEC 2022」が終わると、次に私たちは「PROJECT 3%→10%」の締めくくりとして、10月開催予定の「hacomono Conference」の準備に取り掛かりました。日本のフィットネス参加率を10%に引き上げるための旗振りは今後も続きますが、あくまでいったんの区切りとしてです。
工藤 カンファレンスでは「3%→10%」のコンセプトの下、「わたしたちにできる今後のアクション」を議論したんですよね。登壇者は、総合・メディカル・キッズなど、各カテゴリーから業界を代表するリーダー及びZ世代の若手、計17名。
内容はYouTubeによるオンデマンド配信で公開されました。
友行 振り返ると、まずは7月のSUMMITで「業界内で手を取り合う流れ」が生まれ、続いて展示会では「3%→10%」のコンセプトが広く拡散されていきました。最終的にカンファレンスが開かれる頃には、プロジェクトに共感してくれた仲間たちが増え、自分たちで発信も積極的に行ってくれていたように感じています。
工藤 私も同じような手応えがあります。お互いに協力して「日本のフィットネス参加率を上げていこう」という共通ミッションが業界内で共有され、その温度感が日増しに高まっている印象というか。
実際に各所で新たな協業事例が生まれたり、コミュニティが動き出したりしているんですよね。hacomonoが火つけ役となり、このようなモメンタム(勢い)を作り出せたことは「PROJECT 3%→10%」で一番の収穫だったと思います。
hacomonoからのメッセージ
友行 今回のプロジェクト自体はこれで終了になりますが、根幹にあるのは私たちのミッション「ウェルネス産業を、新次元へ。」そのものです。今後もPR活動を通じて、人生100年時代の健康にコミットしたhacomonoの挑戦を伝えていきたいと思います。佳奈江さんからも、今後の意気込みをぜひお願いします。
工藤 私は「来年、再来年と盛り上がっていくような業界の波を作りたい」と考えています。日本のフィットネス参加率を3%から10%にすることは簡単な目標ではありません。だからこそ継続的な取り組みと、皆で手を取り合う姿勢が必要になります。
今回の「PROJECT 3%→10%」はそのための、第一歩に過ぎません。より大きなムーブメントになるよう頑張りたいと思います。